顧客はさまざまなデジタルプラットフォーム上で製品やサービスを利用します。しかし、そのインタラクションが顧客管理ソフトウェアに記録されない限り、マーケティングや営業活動に生かせる形でデータを利用するのは容易ではありません。この種のソフトウェアによって、企業は顧客の行動を理解しやすくなり、その結果、顧客の好みにより頻繁に耳を傾け、応えられるようになります。つまり、顧客データソリューションは、データを処理する企業と顧客の双方にメリットをもたらす可能性があります。
顧客データソリューションにはさまざまな用途がありますが、特に広く利用されているのが顧客データプラットフォーム(CDP)と顧客関係管理(CRM)ソフトウェアです。CDPとCRMのどちらを自社に導入すべきか選ぶ必要があると考える購入担当者もいるかもしれませんが、両者の主な違いと、これら2種類のソフトウェアが互いにどのように補完し合えるかを理解することが重要です。
企業向けCDPとCRMの選び方
顧客データプラットフォーム(CDP)とは?
顧客データプラットフォームは、顧客データを一元的に保存し、定期的に更新するデータベースです。顧客管理ツールには、特定の顧客エンゲージメントやデータの種類に焦点を当てたものもありますが、CDPは、把握しているすべての顧客データを1つの顧客プロファイルに統合するために存在します。
CDPは通常、顧客データを収集する社内の他のテクノロジーすべてと接続されるため、各システムに存在するデータから最も正確な顧客プロファイルを作成できるよう、データのサイロ化を解消します。これらの他のツールは、CDPの更新や修正を連携して行うため重要ですが、CDPは複数の参照元を持つことから、通常、最も正確で最新の顧客データの集合体とみなされます。
以下では、市場で特に優れた顧客データプラットフォームを5つ紹介します。
- Tealium
- Treasure Data CDP
- Salesforce Interaction Studio
- Microsoft Dynamics 365 Customer Insights
- Oracle Unity Customer Data Platform
CDP関連記事: 顧客データプラットフォームでデジタルトランスフォーメーションを推進
顧客関係管理(CRM)ツールとは?
顧客関係管理ツールは、顧客と接する部門のデータを管理するために頻繁に使われます。特に、顧客を購買ジャーニーに沿って導くことを目指すマーケティング担当者や営業担当者が利用します。CRMの最終的な目的は、データから得られる洞察を活用し、見込み顧客をリピーターへと転換することです。CRMが収集するデータは、専門的なワークフローやトリガーの作成に使われます。これらによって、購買ジャーニーの中でさまざまな見込み顧客や顧客が受ける接点を自動化します。
顧客の獲得と維持を支援するため、CRMは潜在顧客の詳細な属性データに加え、サイトへの訪問頻度、ターゲティング広告やメールを開封しているかどうか、過去にカスタマーサービスやバーチャルアシスタンスのチームへどのような質問をしたかといった情報にも注目します。この種のデータを収集・管理するため、CRMは通常、企業のウェブサイトやECサイト、メールやチャットボットのメッセージング、モバイルアプリ、ソーシャルメディア、広告プラットフォームに接続します。
以下では、市場で特に優れた顧客関係管理ツールを5つ紹介します。
- Salesforce
- HubSpot
- Zoho CRM
- Keap
- Insightly
CIO InsightのCRM関連記事: 顧客関係管理(CRM)を解説
CDPとCRMの違い
CDPとCRMのソリューションには、顧客データのクレンジングと管理に重点を置いているため、多くの共通機能があります。また、どちらも他のエンタープライズソフトウェアと容易に統合できる傾向があり、社内のさまざまなチームがそれぞれのニーズに応じて顧客データにアクセスし、活用しやすくなります。
ただし、CDPとCRMにはいくつかの重要な違いがあります。
- CRMは主にマーケティングと営業のパイプラインに焦点を当て、営業サイクルに関係する顧客の詳細情報を深く掘り下げます。一方、CDPは顧客データをより包括的に捉えるため、事業計画や長期的な顧客施策、その他の企業戦略により容易に活用できます。
- CRMは営業と顧客との直接的なエンゲージメントに重点を置いているため、その多くにはコミュニケーションアプリや、カスタマーサービスで顧客と直接やり取りするための機能が標準搭載されています。CDPは顧客データの保管場所という性格が強く、そのため顧客と直接接する場面は少なくなります。
- CDPは設計上、顧客プロファイルデータを提供または利用するあらゆるシステムと接続することが想定されています。そのため、標準連携のライブラリが充実しています。CRMにも大規模な連携ライブラリを備えるものはありますが、多くは主要な連携やAPI接続をいくつか利用する形です。
検討すべきその他のエンタープライズソフトウェア:CRMとERPの違いとは?主な相違点を解説
CDPとCRMを連携させる方法
CDPとCRMは、用途の異なる別々のシステムとみなされることがよくあります。しかし、CDPとCRMを併用すれば、顧客データに関する価値ある詳細情報を明らかにできます。
CDPを使えば、営業サイクルを超えて顧客をより深く理解し、CRMのためにより正確なデータを蓄積できます。逆に、CRMを使ってCDP内の連絡先を継続的に追加・更新すれば、そのデータソースがさらに充実し、CDPのデータを利用する他のエンタープライズソフトウェアにも役立ちます。
多くの企業は、エンタープライズソフトウェアの世界でより広く知られているCRMから導入を始めます。しかし、こうした企業も後にCDPをポートフォリオへ追加し、顧客をより深く、包括的に把握しようとすることが少なくありません。事業規模や現在の顧客数にかかわらず、CDPとCRMのどちらを選ぶべきかという問いへの答えは明確です。CDPとCRMは、互いのデータ管理の強みを生かすことで、より効果的に機能します。
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