アジャイルやDevOpsのような開発環境の普及により、開発チームは今やアプリケーションソフトウェアを1日に複数回リリースできるようになった。これは組織にとって朗報だが、チームは依然として本番環境へのリリースに遅れを経験しており、その主な原因はテストにある。
また、GitLabのDevSecOps 2021年調査では、2019年および2020年の調査結果と同じく、テストがアプリの提供における遅延の大半を占めることが示されている。
手動テストや自動化テストには、コードの複雑さに応じて、急なものから緩やかなものまで学習曲線が伴う。企業が市場投入までの時間を短縮し、競合他社に対する優位性を確保したいのであれば、テストの遅延に対処する必要がある。
その解決策の1つが、スクリプトレス、またはコードレスのテストだ。スクリプトレステストなら、コーディングを知らない人でもテストを実施でき、ビジネス部門とIT部門の間に存在するサイロを解消し、生産性の向上につなげられる。
さらに、スクリプトレステストでは、手動テストスクリプトを1行ずつ記述する負担からチームが解放されるため、時間を有効活用し、ビジネスの成長により集中できる。
スクリプトレステストの進化
従来、テスターは製品のリリース前にテストケースを手作業で作成し、実行していた。しかし、これは時間がかかり、煩雑なプロセスだった。
Webブラウザー自動化ツールキットのSeleniumは、テスト環境を一変させた。時間を節約し、エラーを減らし、テスターの負担を軽減する自動化機能を提供したのだ。Selenium IDEでは、記録と再生の機能が導入され、テスト自動化のプロセスがさらに簡素化された。
しかし、環境がよりアジャイルになるにつれて、テストの複雑さも増していった。そのような状況では、自動テストの単純な記録・実行機能だけでは不十分だった。自動テストはテストケースの実行時間を短縮することに疑いはないが、それでもスクリプトを必要とする。 そのため、テスターは対応言語を学ぶか、コーディングのできる人材を採用しなければならず、多くの困難につながった。
スクリプトレステストの登場は、テスターにとってゲームチェンジャーとなった。コードレス、またはスクリプトレステストとは、コードを1行も記述せず、ツールを使ってテストを自動化する手法であり、テストプロセスの高速化と手作業の最小化を目的とする。コードレス化によって、企業は迅速に規模を拡大し、組織全体でより高い効率を実現できる。
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なぜスクリプトレステストなのか?
スクリプトレステストは、テストを簡素化し、テストチームが抱えていた問題を解決するために登場した。こうしたチームが日常的に直面していた一般的な課題には、次のようなものがある。
- テスト実行が遅い
- スキルを持つテスターが不足している
- 回帰テストが困難
- カバレッジが不十分
- ミスを犯す可能性が高い
スクリプトレステストはこれらすべての問題を解消し、その代わりに、開発プロセスを高速化し、組織内の誰にとっても使いやすくアクセスしやすい、親しみやすいGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)をテスターに提供する。
スクリプトレステストの実装方法
スクリプトレステストでは、コード実行環境を、プログラミングスキルのレベルを問わず誰でも使える、ユーザーフレンドリーなGUIインターフェースに置き換える。つまり、技術系か非技術系かを問わず、ほぼ誰でもアプリケーションを作成できるようになる。ドロップダウンメニューと直感的なビジュアルインターフェースによって、テスト計画からテスト実行までのプロセスが簡素化される。
テスターが行うのは、コードを記述せず、利用可能なドロップダウンメニューからオブジェクトを選んでテストケースを作成することだけだ。ただし、テストスクリプトが存在しないという意味ではない。テストスクリプトはバックエンドで、抽象化レイヤーの背後に隠れた形で記述される。
コードレスツールの役割は、入力内容を後で実行できるスクリプトに変換することだ。これにより、テスターはテストスクリプトの作成に時間を費やす代わりに、品質保証に集中できる。
AI(人工知能)とML(機械学習)の機能を備えたこれらのツールには、自己修復機能や記録・再生機能など、さまざまな機能が搭載されており、スクリプトベースのツールに対する競争優位性をもたらしている。
スクリプトレステストのメリット
- 市場投入までの時間を短縮:コードレステストでは、自動テストスクリプトの作成にかかる時間を短縮でき、 コーディングもほとんど必要ない。 グラフィカルなワークフローによって、テスト作成プロセスが簡素化される。その結果、提供スピードが上がり、企業はより迅速に製品をリリースできる。
- 費用対効果が高い:コードレステストに切り替えれば、開発者はコーディングの研修を受けたり、新しい言語を学んだりする必要がない。そのため、プロセスの費用対効果が非常に高くなり、リソースの節約にもつながる。
- 手順を再利用できる:手順を再利用できない手動テストとは異なり、コードレスツールは自動化されたフローを再利用できるため、生産性の向上とメンテナンス負担の軽減に役立つ。同じ機能を繰り返し使うのであれば、再利用するのが合理的だ。
- ユーザーフレンドリー:コードレスツールには使いやすいGUIが搭載されており、テスターにもテスター以外の人にも、簡単でコードを必要としない操作環境を提供する。
- テストカバレッジの向上:コードレスツールは、 デスクトップ、Web、仮想アプリなど、さまざまなプラットフォームで動作する。これにより、テスターは並列テストを実施し、より迅速にインサイトを得られる。
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スクリプトレステストとスクリプトテストの使い分け
コードレステストは多くの機会を生み出すが、手動テストを完全に置き換えるものではない。実際、コードレスが最適なテストケースもあれば、コードテストが望ましいさまざまなシナリオもある。
例えば、コードを一切変更せずにテストを繰り返し実行する場合や、デバッグ、回帰テストの自動化を行う場合は、コードレスが最適な選択肢だ。しかし、より高い柔軟性が必要な場合や、ユーザビリティをテストする場合は、スクリプトベースの手動テストのほうが適している。
手動テストは、次のようなシナリオにも適している。
- ユーザビリティテスト:ユーザビリティテストでは、ソフトウェア製品の機能性と、それがユーザーに与える影響を測定する。人間の知覚が関わるため、手動テストを選択するほうがよい。
- 探索的テスト:探索的テストでは、テストを事前に作成せず、テスターが既成概念にとらわれずに考え、テスト上の問題を解決する方法を見つけ出す。認知能力に大きく依存するため、手動テストに適している。
コードレスツール
以下に、テストケースの自動化に役立つコードレスソリューションをいくつか紹介する。
AccelQ
AccelQは、Web、デスクトップ、メインフレームなどのアプリケーションを最小限の時間と労力で自動化し、テストサイクルを高速化するAI搭載のコードレスツールだ。自然言語の英語によるコーディングと自己修復機能を備え、既存のDevOpsツールチェーンと統合して、品質エンジニアリングライフサイクル全体を統合的に把握できるようにする。
Katalon Studio
Katalon Studioは、ソフトウェア開発サイクル全体に対応する自動テストソリューションだ。Smart XPath機能による自動修復をサポートし、Web、API、デスクトップアプリなど、ほぼすべてのプラットフォームのユーザーのテストニーズに対応する。
Ranorex Studio
Ranorex Studioは、モバイルアプリケーションとデスクトップアプリケーションのテストに使われるテスト自動化ツールだ。独自のスクリプト言語は持たず、VB.NETやC#などの標準プログラミング言語を使ってアプリケーションを自動化する。
スクリプトレステストの未来
継続的インテグレーションと継続的デプロイメント(CI/CD)、そしてアジャイル手法は、 ソフトウェア開発の実践を一変させた。現在は、より頻繁かつ迅速にリリースが行われており、コードを手動でテストするプロセスは非効率になっている。 コードレステストは時間を節約し、テストプロセスを加速することで、組織により大きなROIをもたらす。
こうしたメリットを考えれば、コードレス市場が市場シェアの約59.5%を2021年に占めていたことも不思議ではない。今後、コードレステストソリューションを導入する企業がメリットを認識するにつれて、この数値はさらに増加すると予想される。
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