メディア企業から金融サービス組織、さらには医療機関に至るまで、企業はこれまで以上に多くのデータを生成、処理、保存している。多くの組織にとって、これはエンタープライズデータ管理が企業およびITリーダーの最重要課題となり、新たなアプローチや戦術を試す企業が増えていることを意味する。
では、企業はデータから最大限の価値を引き出せているのだろうか。それとも、急速に拡大するデータの奔流に押しつぶされているのだろうか。ESG ResearchとQuantumは実態を明らかにするため、テクノロジー、金融サービス、製造、ビジネスサービスなどの業界で、1ペタバイト(PB)を超える非構造化データ容量を導入している組織のIT専門家(73%)と、その他のビジネスリーダー(27%)を対象に調査を実施した。
非構造化データは膨大な量で増加しており、ビジネスの成長にとって依然として重要だ。調査によると、経営チームの10社中7社が、成長の中心にデータを据えている。しかし、今後このデータを活用して成功を収めるうえで影響を及ぼす、重要なトレンドが浮上している。
調査回答から、2022年に企業が直面するデータ管理の課題と機会について、次のことが明らかになった。
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1. データの分散化がもたらすデータ管理とセキュリティへの影響
IoT(モノのインターネット)の普及と企業によるクラウド利用の拡大を考えれば当然だが、回答者の大半は、自組織のデータが高度に分散し、モバイル化していると回答した。実際、回答者の78%は、自組織がクラウド、オンプレミス、エッジ環境の間で定期的にデータを移動させていると答えた。またストレージインフラについては、調査対象となった組織の多くがハイブリッドクラウドモデルを運用しており、データの大部分をパブリッククラウドに保存し、残りをオンプレミスに置いている。
その結果生じるデータの分散化は、エンタープライズデータ管理を複雑にしかねない。回答者の圧倒的多数(88%)は、高度に分散したデータが、ビジネスにおけるエンドツーエンドのデータ戦略実施の障壁になっていると回答した。さらに、環境間でデータを定期的に移動させることは、ランサムウェアやサイバー攻撃にとって理想的な温床となり、回答者の87%がこれを重大な懸念事項と評価した。
セキュリティ上の懸念が高まっているにもかかわらず、実行可能なエアギャップ型ランサムウェア対応戦略を策定している組織はわずか6%にとどまる。この低い割合は、回答者の5人に2人が、過去2年間に自組織がランサムウェア攻撃の被害に遭ったと回答していることを考えると、特に驚くべきものだ。さらに82%という驚くべき割合の回答者が、データの管理を取り戻すために身代金(中央値37万5,000ドル)を支払ったと認めた。

2. コストとパフォーマンスのバランスが取れたストレージソリューションを見つける
組織が生成するデータ量の増加は、ITリーダーにとって深刻な課題となっている。現在、ITリーダーは、データを安全かつ費用対効果の高い方法で保存しながら、そこから最大限のビジネス価値を引き出すという、適切なバランスを見つけることに苦慮している。実際、ESG ResearchとQuantumの調査回答者の76%は、現在実現可能な期間よりも長く、かつより費用対効果の高い方法でデータを保存するようプレッシャーを受けていると回答した。
興味深いことに、回答者の88%は、より多くのデータをより長期間保持することが、自組織でより大きなビジネス価値を生み出す道になると回答した。しかし38%は、生成されるデータの複雑さと量によって、どのデータが有用で、どれがそうでないのかを把握するのが難しくなっていると感じていると答えた。
さらに、回答者の半数以上が、ビジネス価値を生み出す前にデータを削除していると認めた。その理由としては、セキュリティとコンプライアンス上の懸念(55%)、コスト(47%)、コストとパフォーマンスの適切なバランスを提供するストレージソリューションを見つけられないこと(32%)が挙げられた。
3. 企業がデータ管理を改善する機会
ほとんどの組織では、データ管理の方法に大きな改善の余地があることは明らかだ。しかし、アプローチを変えることで、組織はデータからより多くの価値を生み出せる。
データの保持・破棄戦略を策定する
企業がこれを実現する方法の1つは、正式なデータ保持・破棄戦略を導入することだ。現在、調査対象組織のほぼ4分の3には、このような戦略が整備されていない。戦略がなければ、データが不要に保持され、ストレージ費用が際限なく膨らむことが多い。反対に、ストレージコストを節約するため、プロセスを踏まずに有用なデータが削除されるケースもある。
さらに、明確なデータ保持・破棄戦略なしに運用すると、データ削除のプロセスに不要な複雑さが加わる可能性がある。データ削除に伴う問題について尋ねたところ、回答者の67%が、部門横断的で分散したプロセスが分かりにくいことを挙げ、37%は経営陣から承認を得るのに苦労していた。
新たなソフトウェアツールを導入する
企業がデータ管理戦略を改善するもう1つの方法は、データ時代に対応して構築された新たなソフトウェアツールを導入することだ。例えば、回答者の89%は、ストレージ階層化の自動化をさらに進めれば、大幅なコスト削減につながると回答した。一方、87%は、ビジネス上の意思決定に向けてデータを迅速に検索・アクセスするための、より優れたテクノロジーが必要だと認めた。
データをより長期間保存する
最後に、企業が一様に恩恵を受けるのは、 データをより長期間保存することだ。これにはいくつかのメリットがある。調査回答者のほぼ3分の2(65%)は、データをより長期間保持できれば、自組織はサイバー攻撃からの復旧により適切に対応できると回答した。また回答者は、データをより長期間保存することで、データの収益化(60%)が可能になるだけでなく、ビジネス全体の意思決定も改善される(58%)と認めた。
全体として、データ保持、ストレージコスト、データの分散化をめぐる懸念は、より包括的で費用対効果の高いエンタープライズデータ管理ソリューションの必要性を示している。先見性のあるITリーダーは、データから最大限の価値を引き出せるよう、テープやオブジェクトストレージなど、パブリッククラウドに代わる選択肢の評価に前向きであるべきだ。