データ管理プラットフォーム(DMP)の人気が高まり続けている。一部の専門家は、世界のDMP市場の年平均成長率が2025年までに11%を超えると予測している。
エンタープライズデータ管理は、業界を問わず共通する課題だ。これを受け、当社は調査を実施し、専門知識を活用して、現在市場で提供されている主要なデータ管理システムと、それぞれのメリットをまとめた。
データ管理プラットフォームとは?
データ管理プラットフォームとは、さまざまな業界で利用され、複数のソースからデータを集約、保存、分析するためのツールだ。データソースは社内の場合もあれば、第三者を通じて取得する場合もある。
DMPが成長したのは、21世紀に入り企業がビッグデータ戦略を策定するようになったことが直接の要因だ。企業が扱うようになったデータの膨大な量、速度、多様性は、DMPによって実用可能なものとなっている。
業界を問わず、DMPの主な用途には次のようなものがある。
- オーディエンスのセグメント化と拡大
- オーディエンスおよび行動データの分析
- 顧客の獲得
データ管理プラットフォームのメリットとは?
最良のデータ管理プラットフォームは、企業に次のようなメリットをもたらす。
- 大規模なデータセットを1つのプラットフォームに統合
- 全体的な収益の増加
- セカンドパーティおよびサードパーティのデータを統合して新市場を分析
- よりターゲットを絞ったマーケティングキャンペーンの構築
- 顧客およびオーディエンスのセグメント化
- コンテンツ価値の向上
最良のデータ管理プラットフォーム
市場をリードする6つの製品を紹介する。各ベンダーについて、主な機能、長所と短所、価格をまとめ、概要を把握できるようにした。
Adobe Audience Manager
Adobeはデザインソフトウェアで最もよく知られているが、同社のAudience Managerは強力なビジネスソリューションだ。Hyatt、Virgin Holidays、Skyなどの企業がAudience Managerを活用して、データの統合、オーディエンスのセグメント化、新たなインサイトの分析を行っている。
このプラットフォームは、AdobeのExperience Cloudパッケージの一部にすぎない。このソフトウェアツール群は、企業による電子署名の完了、エンドツーエンドのユーザージャーニーの実現、AIを活用したマーケティングキャンペーンの拡大を支援する。Audience Managerがこれらのソリューションとシームレスに統合できることが、企業にとっての差別化要因だ。
主な機能:
- A/Bテストによるセグメンテーション
- Adobe Analyticsとの双方向リアルタイムデータ統合
- ファーストパーティーオーディエンスデータの転送
- 予測オーディエンス分析のためのアルゴリズムモデリング
- 組織ID
長所:
- Adobe Experience Cloudのソフトウェアとシームレスに統合できる
- 使いやすいソフトウェアだという評価が顧客から寄せられている
- クラウドベースでアクセスしやすい
短所:
- データの読み込み時間がかなり長い
- 価格に対する不満が顧客から頻繁に寄せられている
- 習得に時間がかかる
価格:AdobeはAudience Managerの料金プランを一般公開していない。企業は、ニーズと会社規模に基づく見積もりを得るため、Adobeに直接問い合わせる必要がある。
Oracle BlueKai
テクノロジー大手のOracleが2014年に推定4億ドルでBlueKaiを買収すると、同社は瞬く間にDMP市場のリーダーとなった。6年後、Oracle BlueKaiはOracleのCX Marketingソリューション群に欠かせないコンポーネントとなっている。企業にとっての主な魅力の1つは、購買意欲の高い顧客にアプローチできることだ。
Oracle BlueKaiで特に注目すべきなのは、マーケティングと広告購入に対するチームのアプローチだ。担当者は、データ管理と顧客獲得の未来についてレポートを作成し、インサイトを発信することが多く、さまざまな業界の全体像を顧客に提供している。Duracell、JetBlue、Dow Jonesなどの企業顧客にとって、この視点が役立つことは間違いない。
主な機能:
- 広告データの統合
- タクソノミーおよび分類権限ツール
- Oracle ID Graphによる一意のID
- オーディエンス分析レポート
- キャンペーン後の分析
長所:
- 200を超える統合機能を備えている
- このソリューションでオフラインデータにアクセスできる
- Oracle ID Graphとネイティブに統合され、第三者データにアクセスできる
短所:
- 主にB2C向けのツールで、B2B機能は限られている
- 使い勝手とインターフェースの扱いにくさが、ユーザーに共通する不満点となっている
- より大規模なパッケージの一部であるため、導入が難しい
価格:Oracle CX Marketingバンドルは、最大10ユーザーで月額2,000ドルから利用できる。
Nielsen Marketing Cloud
Nielsen Holdings Inc.は、オーディエンス測定の標準であるNielsenのテレビ視聴率で最もよく知られている。世界最大級のマーケティング測定会社が独自のDMPを持つのは当然だろう。Nielsen Marketing Cloudの最大の差別化要因は、実際のNielsenオーディエンスデータとの統合にある。
このデータセットがどれほど豊富かを理解するために、Nielsenが90カ国以上で事業を展開していることを考えてみよう。これら90カ国以上で、同社は世界人口の90%以上をカバーしている。この膨大なデータは、特にNielsen Marketing Cloudが今回の調査で最も高い評価を得た製品の1つだったことを考えると、有用性が高い。
主な機能:
- 消費者エンゲージメントのリアルタイム分析
- コンテンツマーケティング、クリエイティブテスト、検索、ソーシャルメディアとの統合
- Nielsen AIによるオーディエンス行動モデル
- マーケティングROI分析
- プログラマティック購入
長所:
- 強固なデータセットである、許諾を得たNielsenオーディエンスデータを利用している
- R&D 100 Awardの審査委員会から革新的な製品として認められている
- 競合他社よりもAIとMLを活用している
短所:
- Nielsenのオーディエンスデータを利用できる一方で、他のデータセットを探索する際に制約を感じるというユーザーもいる
- 習得に時間がかかる
- 読み込み時間に関するパフォーマンスの問題もユーザーから報告されている
価格:NielsenはMarketing Cloudの料金プランを一般公開していない。企業は、ニーズ、希望する機能、会社規模に基づく見積もりを得るため、Nielsenに直接問い合わせる必要がある。
The Trade Desk
2009年の創業以来、The Trade Desk Inc.は、データドリブン広告の実施を目指すデジタル広告バイヤー向けの世界的リーダーとしての地位を築いてきた。同社の企業理念は、ABC、Viacom、The Wall Street Journalなど、業界の大手企業と多数提携する大きな要因となっている。
同社の事業運営では、改善の反復が最優先されている。プラットフォーム自体も最近リデザインされ、より使いやすいインターフェースになった。この変更に伴い、同社独自のAIエンジン「Koa」も導入された。The Trade Deskは、これらの新たな変更を活用して、エンタープライズキャンペーンの目標やKPIを設定し、競合他社より効率的に目標を達成している。
主な機能:
- 消費者エンゲージメントのリアルタイム分析
- コンテンツマーケティング、クリエイティブテスト、検索、ソーシャルメディアとの統合
- Nielsen AIによるオーディエンス行動モデル
- マーケティングROI分析
- プログラマティック購入
長所:
- このDMPでは、幅広いデータを取り込める
- キャンペーンレポートは、設定も表示もシームレスだと顧客から評価されている
- ユーザーには統合IDが提供され、トラッキングの効率が高まる
短所:
- レポートは簡単に作成できる一方で、粒度が不足しているという声がある
- カスタマーサポートの対応が遅いことがある
- 新規ユーザーからは、ソフトウェアの習得が難しいという声がある
価格:The Trade Deskは料金プランを一般公開していない。企業は、ニーズ、希望する機能、会社規模に基づく見積もりを得るため、The Trade Deskに直接問い合わせる必要がある。
Google Marketing Platform
Googleの勢いが衰える気配はない。つい昨年も、同社の広告事業は43%を超える増収を2021年第3四半期だけで記録した。これは、Google Marketing Platform(Googleのオンライン広告プラットフォームで、主に企業や大規模広告主を対象とする)の継続的な成長によるものだ。
このリスト全体の中で、このDMPだけが無料の機能を提供している点に注目したい。Google Analytics、Data Studio、Optimize、Surveys、Tag Managerはいずれも、企業がGoogleのDMPの導入を始めるうえで有効なソリューションだ。その後、企業はGoogleのより高度な360シリーズの製品を購入できる。これらの製品はいずれも、デジタルメディアキャンペーンの運用や、顧客行動に関するリアルタイムのインサイト獲得に役立つ。
主な機能:
- 消費者エンゲージメントのリアルタイム分析
- クロスデバイス対応
- Google Cloudとの統合
- Smart CampaignsによるMLを活用したキャンペーン
- プログラマティック広告の最適化
長所:
- 広告の多くをGoogleで行う企業にとって、このDMPは非常に便利だ
- ユーザーはパッケージ全体を購入するのではなく、さまざまなMarketing Platform製品から選んで購入できる
- Googleのウェブデータと分析機能を最大限に活用できる
短所:
- サードパーティーソースとの統合は、やや物足りない
- 発展途上国のユーザーからは、自国市場へのサポートが限られているという声がある
- チャネル管理機能は、他のプラットフォームのほうが優れているとされる
価格:GoogleはMarketing Platformパッケージの料金プランを一般公開していない。Campaign Manager 360、Display & Video 360、Search Ads 360、Analytics 360の各モジュールには、それぞれ別途費用がかかる。
企業は、ニーズ、希望する機能、会社規模に基づく見積もりを得るため、Googleに直接問い合わせる必要がある。
Mapp Cloud
Mapp Cloudは、以前はMapp Digitalとして知られていた、このリストの中でも最も歴史の長い企業の1つだ。1998年創業で、長年にわたる実績と評価は十分に裏付けられている。CBS、Unilever、Pepsicoなどを顧客に持つMapp Cloudは、企業の顧客獲得とエンゲージメントを支援する、実績あるDMPだ。
同社の最大のセールスポイントは、デジタルマーケティングに対する「インサイト主導」のアプローチだ。このアプローチにより、企業はデータとAIを組み合わせ、リアルタイムのインサイトを生み出して消費者とつなげられる。これにより企業は、ユーザージャーニーの一時点だけでなく、さまざまな段階にわたって顧客データを活用できる。MappはCRM、DSP、eコマースツール向けの幅広い統合サポートも提供しており、いずれも導入およびインストールの支援が付属する。
主な機能:
- クロスチャネルマーケティングの実行
- 予測、レコメンデーション、解約防止
- 顧客行動の予測とインサイト
- リアルタイムで統合された顧客プロファイル
- ROI分析
長所:
- カスタマーサービスチームは対応が迅速で、問題解決にも積極的だ
- Amazon AdvertisingやInstagramなど、さまざまなサードパーティーツールと統合できる
- 小売、金融、代理店など、業界ごとに特化したソリューションを提供している
短所:
- メールマーケティング機能やHTMLクリエーターに、時折バグが発生するという報告がある
- インターフェースは競合製品ほどユーザーフレンドリーではない
- ソーシャルメディアとSMSの機能に対する不満が頻繁に寄せられている
価格:MappはMapp Cloudの料金プランを一般公開していない。企業は、ニーズ、希望する機能、会社規模に基づく見積もりを得るため、Mappに直接問い合わせる必要がある。