ローカルエリアネットワーク(LAN)は、近接した場所にある機器をケーブルまたはWi-Fiで直接接続する小規模なネットワークです。一方、ワイドエリアネットワーク(WAN)は、世界規模の通信技術を通じて、広大な距離を隔てた分散配置の機器やLANを接続するネットワークです。家庭や小規模オフィスのネットワークはLANの一般的な例であり、インターネットは世界最大のWANとしてよく挙げられます。
ローカルエリアネットワーク(LAN): LANは、共通の通信回線で相互接続された機器のネットワークです。これらの機器は互いに近接した場所にあり、通常は同じ建物やオフィス複合施設内に設置されています。LANによって、機器間の通信が可能になるだけでなく、ファイル、プリンター、アプリなどのリソースも共有できます。WANとは異なり、LANは簡単に構築できます。
ワイドエリアネットワーク(WAN): WANは、機器を接続する通信ネットワークで、 世界中に広がる複数の拠点をまたいで構成されます。 たとえば、さまざまな場所に拠点を置く企業はWANを使って支社を接続し、従業員がどの拠点からでもリソースにアクセスできるようにしています。 WANでは、衛星リンク、専用線、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)などの通信技術を使い、機器間でデータを安全に転送します。
LANとWANの比較表
LANとWANの基本的な違いを分かりやすく示すため、両者を簡単に比較してみましょう。

LANとWANの仕組みとは?
LANとWANは互いに大きく異なる仕組みで動作し、異なるプロトコルや管理モデルを使いながら、基本的には同じ機能、すなわち異なる機器を使うユーザー間でデータパケットを送受信する機能を実現しています。

ローカルエリアネットワークの仕組み
LANは、近くにあるコンピューティングデバイスへの共有アクセスを提供します。LAN上のデータは通常、ピアツーピア通信(機器間で直接通信)またはクライアントサーバー通信(機器が中央サーバーに接続)によって送信されます。LANでは、Ethernetなどのネットワークプロトコルを使って機器間でデータを送信します。
LANでデータを送信する際には、次の3つのトポロジーが使われます。
- バストポロジー: バストポロジーでは、機器を1本のケーブルに接続します。 データはケーブル上を伝送され、宛先アドレスが格納されたアドレスと一致すると、データの通過が許可されます。
- スタートポロジー: スタートポロジーは、複数のワークステーションを中央ハブに接続し、星形のネットワークを形成する構成です。ネットワーク上のある機器が別のワークステーションと通信する場合、まず中央ハブを経由してデータを送信する必要があります。このトポロジーは、ローカルエリアネットワークで最も一般的に使われる構成です。
- リングトポロジー: リングトポロジーでは、機器を円形に接続し、データが宛先に到達するまでリング上を通過させます。中央コンソールはありません。
LAN上の機器が別の機器に情報を送信するとき、まずデータをパケットに分割します。パケットには送信元アドレスと宛先アドレスが含まれます。送信元の機器がパケットを送り、スイッチやルーターの助けを借りて、パケットが宛先の機器へ転送されます。

ワイドエリアネットワークの仕組み
WANは地理的な規模が大きいため、通常はMPLS、衛星サービス、仮想プライベートLANサービス(VPLS)、ケーブル会社などのサービスプロバイダーが所有・管理します。これらの事業者は、長距離通信やデータ伝送を支援します。
WANで使われるインフラ構成要素には、スイッチ、ルーター、光ファイバーケーブルや衛星リンク、無線接続などの伝送回線、その他さまざまなネットワーク機器があります。
WANでは、ポイントツーポイント(P2P)接続またはパケット交換を用いた共有回線によってデータを伝送します。P2P接続では、ある地点から送信されたパケットが、OSIモデルのレイヤー2を使って別の地点へ届けられます。P2P接続は、回線交換ネットワーク、専用回線、または専用線とも呼ばれます。
より現代的な方式がパケット交換技術です。この方式では、データはノード間の物理的な接続に依存せず、扱いやすい小さなパケットに分割されます。各パケットには送信元アドレスと宛先アドレスが割り当てられます。その後、トラフィックの状況に応じて、データはあらかじめ決められた経路に限定されることなく、宛先に到達するために任意の経路を通ります。
LANとWANの主な違い
名称は似ていますが、LANとWANは、規模、接続、コスト、セキュリティ、速度など、ほとんどの点で異なります。
- 規模: LANとWANの主な違いは、LANが物理的な空間に限定された小規模な地理的エリアを対象とするのに対し、WANはさまざまな地理的エリアをカバーする点です。 国をまたぐ場合もあります。
- 単一障害点: LANでは単一障害点が存在することが多く、そこが停止するとネットワーク全体に影響が及ぶ可能性が高くなります。WANには単一障害点がなく(サービスプロバイダー自体を除く)、ネットワーク全体が停止することはほとんどありません。
- 接続: LANではEthernetケーブルなどのローカル接続を使用する一方、WANではMPLS、専用線、VPLSを使用します。
- 費用対効果: LANはWANよりも構築・運用コストが大幅に安くなります。そのため、少なくとも容量を超えて拡張する必要が生じるまでは、LANのほうが費用対効果に優れています。
- セキュリティ: LANは既知のエリアに限定され、ファイアウォールなどのセキュリティ機器で保護できるため、WANよりも安全です。
- 速度: LANは短距離をカバーし、混雑も少ないため高速です。一方、WANはトラフィックが急増すると混雑することがあります。
LANとWANの主な共通点
LANとWANには、基本的な構成要素と目的という共通点があります。
- コラボレーション: LANとWANはいずれも、ユーザー間でリソースを共有できます。
- 構成要素: どちらも、ルーター、スイッチ、ケーブルなどのネットワーク構成要素を使ってデータを送信します。
- 通信: どちらも標準的な通信プロトコルを使い、ある機器から別の機器へ情報を送信します。
- パケット: どちらも、送信元アドレスと宛先アドレスを含むパケットにデータを分割します。
- データ保護: どちらも保存中および転送中のデータを保護するためのセキュリティ対策を講じます。
- アドレス指定: どちらも、ネットワーク上の機器を識別するためにアドレスを割り当てます。
LANとWANの使い分け
これほど異なる技術である以上、LANとWANのユースケースも大きく異なります。
LANのユースケース
LANは、近接した機器間に安全な接続を構築する優れた手段です。LANが非常に役立つユースケースを以下に紹介します。
- 家庭: 家庭では、複数の機器を1つのインターネット接続にリンクできます。また、LAN経由でプリンターを共有し、コストを削減することも可能です。
- オフィス: オフィス環境にLANを導入すると、同僚同士がリアルタイムでプロジェクトに協力し、プリンター、ファイル、インターネット接続、ドライブなどの共有リソースにアクセスできます。
- 企業: 実店舗型の企業は、LAN上でデータを一元的に保存・バックアップできます。データは定期的に更新され、権限を持つユーザーがアクセスできます。
- 製造: LANを使うことで、産業用機械を制御システムに接続し、製造工程を遠隔監視できるようになります。
- コラボレーションとeスポーツ: LANの利点の1つは、同じネットワークに接続されたユーザー間でソフトウェアを共有できることです。
WANのユースケース
組織が限られたエリアの外まで接続範囲を拡張する必要がある場合、WANが最適な選択肢となります。WAN接続が必要になる例を以下に紹介します。
- 国際展開、ハイブリッド勤務、リモートワークの人員: WANは、企業が地理的に分散したオフィスと通信し、チームメンバーが共有の企業資産にアクセスできるよう支援します。
- クラウド: WANによって、企業はクラウドアプリやクラウドインフラに接続できます。
- 外部リソース: WAN管理者は、第三者に企業内部のリソースへのアクセス権を付与できます。
- 倉庫: 物流企業はWANを使ってプロセスを監視し、在庫を追跡できます。
- 大学: 教育機関はWANをオンライン学習活動の支援に利用します。
- Eコマース: 小売業者はWANを使って取引を処理し、ワークロードを管理します。
結論:ネットワークにはLANとWANのどちらが必要か?
組織が異なる機器や拠点間で情報を共有するには、適切なエンタープライズネットワークソリューションを選ぶ必要があります。 自社のビジネスニーズを検討することで、LANとWANのどちらを選ぶべきか適切に判断できます。
小規模オフィスで、業務要件が特定の職場に限定されている場合は、LANを選ぶべきです。 一方、複数の都市、あるいは複数の国にオフィスを構える大企業であれば、WANが理想的なネットワークです。
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