IPアドレスとは?
インターネットプロトコル(IP)アドレスは、コンピューターにとっての電話番号のようなものです。誰かに連絡するために電話番号をダイヤルする必要があるのと同じように、コンピューター(スマートフォンやタブレットなどのコンピューティングデバイスを含む)がネットワーク上のほかのデバイスと通信するには、IPアドレスが必要です。
IPv4の歴史は、インターネットが軍専用のプライベートネットワークだった1980年代初頭にまでさかのぼります。当初の目的とは裏腹に、インターネットは急速に普及し、さまざまなネットワークやデバイスが接続するようになった結果、IPv4アドレスはやがて不足することになりました。
当初、43億個のIPv4アドレスという総数は十分に思えました。しかし、この数では需要を満たせないことがすぐに明らかになりました。利用可能なIPv4アドレスの枯渇は、早くも1990年代に始まっています。巧妙なネットワーク技術によって枯渇の時期は先延ばしされ、現在でもIPv4を利用できます。
IPv6はインターネットプロトコルの最新のバリエーションで、これまで以上に多くのコンピューターシステムやデバイスがインターネットにアクセスできるようにします。IPv6は、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはサブネットワーク内だけでルーティングできるよう設計されています。
IPアドレスの仕組み
IPアドレスにはIPv4とIPv6の2種類があり、それぞれ少し異なる仕組みで動作します。具体的には、IPv4が32ビットのアドレスであるのに対し、IPv6は128ビットです。
IPv4アドレスの仕組み
IPv4は32ビットを使用し、アドレス形式は通常、次のような数字の文字列です:123.123.123.123。各IPアドレスは、ピリオドで区切られた4組の数字で構成され、各数字は0から255の範囲になります。
IPv4アドレスは、ネットワークIDとホストIDという2つの部分で構成されます。ネットワークIDはデバイスが接続しているネットワークを識別し、ホストIDはそのネットワーク上の特定のデバイスを識別します。
ネットワークIDは通常、ドット付き10進表記で表されます。これは、ドットで区切られた3つの数字の並びです。各数字は0から255の範囲で、8ビットの2進数を構成します。ホストIDもドット付き10進表記で表されますが、32ビットまでの任意の数字の組み合わせにできます。
たとえば、IPアドレス192.168.1.20を見てみましょう。
最初の部分である192.168.1はネットワークIDを表し、最後の部分である20はデバイスIDを表します。
通常、デバイスIDの1はルーターに割り当てられ、その後の2以降の番号がネットワーク上のほかのデバイスの識別に使われます。
この2つの部分が合わさってIPv4アドレスを構成し、デバイス同士がインターネット経由で通信できるようになります。ネットワークIDとホストIDの両方が分かれば、デバイスは互いの正確な場所やIPアドレスを知らなくても、データを送受信できます。
IPv6アドレスの仕組み
IPv4と同様に、IPv6アドレスもネットワークコンポーネントと参加者/ノードコンポーネントという2つの異なる部分で構成されます。ただし、IPv6ではIPv4の32ビットではなく128ビットをアドレスに使用します。これにより、IPv4よりはるかに広いアドレス範囲が提供され、すべてのデバイスに一意のアドレスを割り当てられます。
各IPv6アドレスは16進数形式で表され、コロンで区切られた8つのグループで構成されます。たとえば、2620:0aba2:0d01:2042:0100:8c4d:d370:72b4です。
IPアドレスの6つの種類
IPv4とIPv6という2種類のIPアドレスには、さらにいくつかの分類があります。内部IPv4と外部IPv4、静的IPアドレスと動的IPアドレス、特定の用途向けの特殊なアドレス形式です。
内部IPv4アドレス(ローカル/プライベート)
内部IPv4アドレスは、LANなどのプライベートネットワークで使用されます。パブリックインターネット上からは見えず、同じサブネットワークに接続されたデバイスだけが互いの内部IPアドレスを確認できます。これらのIPアドレスは通常、192.168.x.x、10.0.x.x、または172.16-31.x.xで始まり、ネットワークの外部から直接アクセスすることはできません。つまり、グローバルにルーティングできないアドレスです。
外部IPv4アドレス(パブリック)
外部IPv4アドレスはパブリックインターネットへの接続や、World Wide Web上でのウェブサイトの公開に使用されます。インターネットサービスプロバイダー(ISP)によって割り当てられ、通常は動的です。つまり、時間の経過とともに変わる可能性があります。192.168や10.0で始まらないのは、これらの数字がプライベートIPアドレスを示すためです。パブリックIPアドレスであるため、グローバルにルーティングできます。
静的IPアドレス
静的IPアドレスは時間が経過しても変わらないため、ネットワーク上でより安定した接続が可能になります。このタイプのアドレスは、リモートデスクトップアクセスやデバイス間のファイル共有など、コンピューターが同じリソースに定期的にアクセスする場合に有用です。静的IPは管理者が手動で変更するまで変わりません。
動的IPアドレス
動的IPアドレスは、新しいネットワークに接続するたびに変わります。このタイプのアドレスは、ISPから必要とするIPアドレス空間の量を減らせるほか、より安全な接続を提供できるという利点があります。動的IPアドレスは、ネットワークに参加した各コンピューターやデバイスに割り当てられます。外部IPアドレスはほぼ常に動的です。
特殊なIPアドレス
特殊なIPアドレスは、サーバーやウェブホスティングなど、特定のサービスの識別に使用されます。こうした特殊用途のIPアドレスには、IANA IPv4 Special-Purpose Address Registry、ループバックアドレス、ワイルドカードアドレス、マルチキャストアドレス、限定ブロードキャスト、ダイレクトブロードキャストなどがあります。
IANA IPv4 Special-Purpose Address Registry
IANA IPv4 Special-Purpose Address Registryは、192.0.0.0/24のアドレスブロックにおけるプロトコル割り当てを管理するInternet Engineering Task Force(IETF)のレジストリです。このアドレスブロックに対する現在のIETFの割り当てをすべて収録し、プロトコル割り当ての利用状況を追跡できる便利な集中データベースを提供します。特殊用途のIPアドレスを必要とする人にとって重要なリソースであり、最新情報に簡単にアクセスできるほか、IETFが割り当てたプロトコルに関する情報も確認できます。
ループバックアドレス
ループバックアドレスは、コンピューターが自分自身に接続できるようにする仮想インターフェースとして機能する特殊なIPアドレスです。通常は、ネットワーク設定の確認や、2つ以上のネットワーク接続を同時に必要とするプログラムの実行など、テストや診断に使用されます。IPv4では、127.0.0.1から127.255.255.255までの範囲です。
ワイルドカードアドレス
ワイルドカードアドレスは、任意のホストまたはドメイン名に一致する特殊なIPアドレスで、同じ送信元IPアドレスから幅広いアクセスを可能にします。1つのIPアドレスから複数のサービスを必要とするウェブサイトやアプリケーションでよく使われます。通常は、アスタリスク(*)の後に、任意のIPアドレスに一致する数字または文字列を続けた形式です。
マルチキャストアドレス
マルチキャストアドレスは、ネットワーク上の複数のコンピューターに同時にデータを送信するための特殊なIPアドレスです。マルチメディアストリームや動画などの大きなファイルを送信する際に便利で、同じデータストリームを複数のコンピューターに一度に送ることで帯域幅の使用量を削減できます。IPv4ネットワークでは、マルチキャストアドレスは224.0.0.1から239.255.255.255の範囲です。
限定ブロードキャスト
限定ブロードキャストは、特定のサブネットにデータを送信するための特殊なIPアドレスです。ネットワーク上のゲートウェイアドレスを探したり、一定範囲内のすべてのホストにメッセージを送信したりするために使用されます。通常、最後のオクテットがすべて255になっているIPアドレスの形式です。
ダイレクトブロードキャスト
ダイレクトブロードキャストは、外部ネットワーク上のすべてのコンピューターにデータを送信するための特殊なIPアドレスです。通常は、ネットワーク上のすべてのコンピューターに設定変更を通知したり、複数のソースから情報を取得したりするなど、ネットワーク管理に使用されます。
IPv6アドレスのさまざまな形式
IPv6アドレスは128ビットで構成されるため、IPv4の32ビットと比べてはるかに多様で柔軟です。IPv6アドレスで最も一般的な3種類は、グローバルユニキャスト、リンクローカル、一意ローカルアドレスです。
グローバルユニキャストアドレス
グローバルユニキャストアドレスは、単一のインターフェースまたはホストに割り当てられる、グローバルに一意なIPアドレスです。パブリックインターネット上の2つのシステム間、またはプライベートネットワーク内での通信に使用されます。グローバルユニキャストアドレスは、コロンで区切られた8つの16ビットブロックで構成されます(例:2001:0db8:0000:0000:0000:ff00:0042:8329)。
リンクローカルアドレス
リンクローカルアドレスは、同じローカルリンクまたはサブネット上のノード間の通信に使用されます。リンクローカルアドレスはパブリックインターネット上ではルーティングできませんが、プライベートネットワーク内で使用できます。リンクローカルアドレスはfe80::/10で始まり、末尾に64ビットのインターフェース識別子が付加されます(例:fe80::d3b0:f2f7:a5b1)。
一意ローカルアドレス
一意ローカルアドレス(ULA)はグローバルユニキャストアドレスに似ていますが、プライベートネットワーク内での使用だけを想定しており、パブリックインターネット上ではルーティングできません。ULAはfc00::/7で始まり、末尾に40ビットのランダム生成インターフェース識別子が付加されます(例:fd37:6c82:f9a5::1)。
自分のIPアドレスを調べる方法
自分のIPアドレスを知っていると、ネットワークの問題解決から地域制限のあるコンテンツへのアクセスまで、さまざまな場面で役立ちます。ここでは、MacとWindowsのコンピューターでIPアドレスを調べる方法を説明します。
Mac(OS X 10.5以降)でIPアドレスを調べる方法
macOSデバイスでIPアドレスを調べる方法は、システム環境設定を使う方法と、macOSのターミナルを使う方法の2つです。
システム環境設定を使ってmacOSでIPアドレスを調べる方法
- Appleメニューを開き、「システム環境設定」を選択します。
- 「ネットワーク」をクリックします。
- 左側のリストから、AirPortやEthernetなど、現在使用中のネットワーク接続を選択します。
- 右側の「IPv4アドレス」欄にIPアドレスが表示されます。
macOSのターミナルでIPアドレスを調べる方法
- 「アプリケーション」>「ユーティリティ」にあるターミナルアプリケーションを開きます。
- ターミナルウィンドウに次のコマンドを入力します:
- Ethernetの場合:ipconfig getifaddr en1
- Wi-Fiの場合:ipconfig getifaddr en0
- パブリックIPアドレスの場合:curl ifconfig.me
- このコマンドを実行すると、IPアドレスが返されます。
Windows 11でIPアドレスを調べる方法
Windowsでは、システム設定またはコマンドプロンプトからIPアドレスを調べられます。
- Windowsの設定でIPアドレスを調べる方法
- 設定アプリを開きます。
- 「ネットワークとインターネット」をクリックします。
- 「プロパティ」をクリックし、下にスクロールしてIPアドレスを確認します。
コマンドプロンプトを使ってWindowsでIPアドレスを調べる方法
- Windowsの検索バーにcmdと入力して、コマンドプロンプトを開きます。
- 「ipconfig」と入力してEnterキーを押します。
- パブリックIPアドレスを調べるには、nslookup myip.opendns.com. resolver1.opendns.comとコマンドプロンプトに入力してEnterキーを押します。
- IPアドレスは「IPv4アドレス」の下に表示されます。
任意のデバイスでIPアドレスを調べる方法
パブリックIPv4またはIPv6アドレスを調べる最も速く簡単な方法は、Googleを開いて「my ip」と入力し、検索をクリックすることです。
IPアドレスを知っておくとよい理由
IPアドレスを調べる最も一般的な理由の1つは、ネットワークの問題を解決するためです。IPアドレスは、インターネット接続やルーターの問題を特定するのに役立つほか、同じネットワーク上にあるほかのデバイスで発生している技術的な問題の診断にも役立ちます。
また、地域制限のあるコンテンツにアクセスしたい場合もあるでしょう。多くのウェブサイトやストリーミングサービスは、IPアドレスを使ってユーザーの所在地を判断し、許可された地域外からのアクセスをブロックします。IPアドレスを知っていれば、仮想プライベートネットワーク(VPN)を使って、こうした制限を回避できます。
さらに、ネットワークに新しいデバイスを設定する際にも、自分のIPアドレスを知っておく必要があります。たとえば、ワイヤレスプリンターやルーターを設定する場合、正しく接続するためにIPアドレスが必要です。
また、インターネット経由でデバイスにリモートアクセスする必要がある場合は、接続を設定するために、そのデバイスのIPアドレスと自分のIPアドレスを知っておく必要があります。
最後に、単に知りたいという人もいるでしょう。インターネットの仕組みを詳しく知るのはいつでも興味深いことです。IPアドレスとは何か、どのように機能するのかを理解することは、その背後にあるテクノロジーを学ぶ絶好の方法です。
IPアドレスに対するセキュリティ脅威
IPアドレスの情報は、ユーザーや企業の追跡・標的化に利用できるため、サイバー犯罪者にとって価値があります。主なセキュリティ脅威には、追跡やオンラインストーキング、なりすまし、デバイスへのハッキング、ネットワークへの攻撃などがあります。
- 追跡とオンラインストーキング:犯罪者や悪意を持つ個人・組織は、IPアドレスの情報を使ってユーザーの地理的な所在地を特定し、ほかのサービスと組み合わせて身元や自宅の場所まで突き止める可能性があります。
- なりすまし:なりすまし攻撃とは、サイバー攻撃者が偽のIP送信元アドレスを持つデータパケットを作成し、ファイアウォールや受信者に安全なデータだと信じ込ませる攻撃です。
- デバイスへのハッキング:IPアドレスを知られると、悪意のある攻撃者がデバイスの脆弱性を特定し、アクセスを試みたり、さらには制御を奪ったりする可能性があります。
- ネットワークへの攻撃:サイバー犯罪者は、家庭内ネットワークや企業サーバーなど、デバイスの集合体を標的にIPアドレスを利用し、アクセスの獲得や悪意のある活動の実行を試みることもあります。組織のIPアドレスを把握することは、DDoS攻撃の前段階でもあります。
こうしたリスクの多くは、仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用したり、IPアドレスを定期的に変更し、効果的で高度なファイアウォールを維持したりするなど、ほかのセキュリティ対策を講じることで軽減できます。
まとめ:IPアドレスを理解する
IPアドレスは、インターネットとその仕組みを構成する不可欠な要素です。IPアドレスの仕組みの基本や、さまざまな種類のIPアドレスを理解することが重要です。
自分のIPアドレスを知っておくと、ゲームやリモートアクセスの設定、ネットワークの問題解決など、さまざまな用途で役立ちます。
アクティブなIPアドレスを持つことに伴う潜在的なセキュリティ脅威にも注意し、リスクを軽減するために必要な対策を講じることが重要です。
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