クラウドおよびネットワークサービスプロバイダーは、5Gによってもたらされる新たな性能と容量のメリットを活用し、企業、特に急速に拡大するエッジ環境により多くの機能を提供する方法を模索している。
Dish Wirelessは、Cisco SystemsおよびデータセンターサービスプロバイダーのEquinixと提携し、Ciscoのクラウドネットワークおよび自動化ソフトウェアと、Equinixのデジタルインフラサービスを活用したスマート5Gネットワークの構想を推進する。
一方、MicrosoftはAT&Tとの提携を拡大し、通信大手の5G機能とMicrosoftのAzureクラウドを組み合わせて、組織がエッジまでサービスの到達範囲を広げられるよう支援する。
Azure担当エグゼクティブバイスプレジデントのJason Zander氏は、ブログ記事に記している。「現在、私たちは多くの企業顧客のデジタルトランスフォーメーションのニーズに影響を及ぼす、極めて重要な局面にあります。クラウドとエッジ、コンピューティングとモバイルが交わり、5Gのトレンドがイノベーションを推進し続けるこの状況で、高度なネットワーク機能に対する顧客の需要は急増しています。顧客にとって、これらすべての収束するテクノロジーがもたらす可能性は、急速に変化するデジタル環境に対応し続けるため、革新的なソリューションや体験を生み出し、利用できることにあります」
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企業はクラウドに注目
企業がミッションクリティカルなワークロードをクラウドへ移行するにつれ、サービスやイノベーションの提供を支援し、ますます分散化するIT環境で可能なことを広げるための支援を求めるようになっていると、Zander氏は記している。
「新たなユースケースや接続デバイスが普及する中、企業は、ゲーム、自動車、医療、製造など多様な業界で革新的なソリューションを構築できるよう、エンドユーザーの近くで動作する新たなエッジアプリケーションソリューションを必要としています」と同氏は記している。
5Gは重要な鍵となる。5Gは速度、遅延、容量において4Gから大幅に改善されており、同じネットワーク上でより多くのデバイスを稼働させられる。これはモノのインターネット(IoT)にとって重要な利点だ。しかし、ZK Researchの主席アナリスト、Zeus Kerravala氏によれば、5Gの意義はそれだけではない。
これまで、クラウドコンピューティングは基本的に集中型コンピューティングであり、組織は1つのワークロードに1つのクラウドを使い、他のワークロードは別のクラウドで実行していた。

「5Gによって、クラウドの定義は、私が『分散型クラウド』と呼んでいるものへと進化します。そこでは複数のクラウドプロバイダー、エッジコンピューティング、プライベートクラウドを利用し、それらを1つのコンピューティングファブリックのように見せることができます」と、Kerravala氏はEnterprise Networking Planetに語った。「5Gによって、より多くの場所にあるより多くのワークロードへデータを配置できるようになります。クラウドは単なる集中型コンピューティングモデルから、分散型のものへと拡大し、その多くをエッジコンピューティングが推進することになります。5Gなしで本当にエッジコンピューティングができるのか、私は確信がありません。これまで接続性を実現できなかった場所にも、接続をもたらすからです」
5Gとクラウドネイティブ
5Gのもう一つの重要な側面は、クラウドネイティブであることだと同氏は述べた。そのためサービスの俊敏性が高まり、需要に応じて容易に立ち上げたり停止したりできる。また、4Gよりもアプリケーションのトラフィックを効率的に処理できる。これにより、Dishのような企業も5Gエコシステム内でより有利に競争できるようになる。
「ワイヤレス通信に関して、Dishは常に外部から様子をうかがう立場でした」と同氏は述べた。「5Gは設計上クラウドネイティブなので、Equinixをパートナーとして構築できます。自社で巨大なデータセンターやPOP(Point of Presence)などを構築する必要はありません。これによって競争力が高まります。5Gの世界で勝者となるのは、5Gネットワーク上で多くの消費者向けおよび企業向けイノベーションを推進する方法を見いだした企業です。速度もその一部ですが、クラウドネイティブであることで、5Gを使ってできることが大幅に増えます」
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DishとCiscoが提携
Dishは今月、ラスベガスで5Gのパイロットプログラムを開始し、2023年夏までに米国の70%をカバーする計画を立てている。CiscoおよびEquinixとの合意により、IBMやAmazon Web Services(AWS)などを含む提携先のリストがさらに広がった。Dishは、Equinixが米国で運営するInternational Business Exchange(IBX)データセンターを通じて、Equinixの相互接続インフラにアクセスできるようになる。Equinixは9月、5Gおよびエッジ技術開発センターを発表した。同センターにはNokiaの5Gネットワークが含まれ、組織はこれを利用して5Gサービスやユースケースをテスト、検証できる。
Ciscoとの提携により、Dishはオープンでクラウドベースの高度に自動化されたネットワークを構築する。このネットワークには、AWS上で稼働するCiscoのXRv9K仮想ルーター、仮想Cell Tower Router、5G向けのIOS-XRオペレーティングシステム、NCSシリーズルーター、CiscoのApplication Centric Infrastructure(ACI)スイッチングファブリックを備えたNexus 9000シリーズスイッチ、Crosswork Network Controllerなどのテクノロジーが含まれる。提携にはDevOpsと市場投入に関する側面もある。
Ciscoの会長兼CEO、Chuck Robbins氏は声明で、この提携により企業のネットワーク・アズ・ア・サービスへの移行を支援し、ハイブリッドワークモデルをサポートするとともに、IoTなどの市場へ進出できるようになると述べた。
Microsoft、AT&Tとの提携を拡大
MicrosoftとAT&Tによる今回の動きは、両社の協業を拡大するものだ。これには、生産性の向上とコスト削減を目的に、AT&Tが5GコアネットワークのワークロードにMicrosoftのクラウド技術を採用することも含まれる。両社はまた、AT&Tの5Gネットワーク上にAzure Edge Zonesを構築するために協力しており、コストと複雑さを抑えながらアプリケーションの性能を向上させている。
Azure Edge Zonesは、AT&T Network Edge(ANE)の機能とAzureクラウドプラットフォームを統合する。
「エッジに展開され、AT&Tの5Gコアに直接接続された一連のAzureサービスにより、AT&Tのモビリティネットワークに最適化されたルーティングを行うAT&TとのAzure Edge Zonesを通じて、低遅延が求められる企業シナリオを実現できます」と、MicrosoftのZander氏は記している。「これにより開発者は、低遅延、高スループット、より広い到達範囲を備えた、より豊かなアプリケーションを革新できるようになります」
両社はロサンゼルスで概念実証を実施しており、今週、アトランタに別のAzure Edge Zoneを構築するプライベートプレビューを発表した。ダラスなどの都市圏にも今後展開する計画だ。
5Gによって、企業は通信事業者が自社のニーズに対してはるかに迅速に対応するようになると実感するだろうと、ZK ResearchのKerravala氏は述べた。これまで、新たな通信サービスを検討する際、キャリアはそのサービス専用の新しいネットワークを構築しなければならなかった。これは費用と複雑さを伴うプロセスであり、通信事業者はサービスの決定に数カ月から数年を要していた。5Gはより俊敏なネットワークを実現し、AT&Tのような既存のキャリアだけでなく、機能の拡大を目指すDishのような企業にも恩恵をもたらす。
「5Gでは、基本的にバックエンドとして大規模なクラウドを稼働させているため、非常に迅速に変更できます」と同氏は述べた。「クラウドプロバイダーのように振る舞い、さまざまなものを試して何がうまくいくかを確認し、利用者に気に入られなければ取り除いて別のものを試せます。これにより、はるかに多くの実験が可能になりますが、これは通信事業者がこれまで行ってこなかったことです。Dishがこの分野に参入し、より革新的かつ先見的な姿勢を取るなら、共有ビジネスサービスの大きな部分を獲得できるでしょう」
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