Infrastructure as Codeなら、多くのインフラ業務を自動的に処理するスクリプトを簡単に作成できます。これにより時間を節約できるだけでなく、人為的ミスの可能性も減らせます。
自分でサーバーやマシンを購入し、保守していた時代を覚えているかもしれません。私たちは、2006年ごろに広く普及した仮想化を契機に、この「ITの鉄器時代」から進化しました。仮想化により、1台の物理サーバー上で複数の仮想マシンを実行できるようになりました。
このアプローチによって、より効率的で管理しやすいインフラが実現しました。また、クラウドコンピューティングなど、新たなテクノロジーの発展も可能になりました。
しかし、組織はほどなくして、スケーリングの問題に直面するようになりました。この問題を解決するために、Infrastructure as Codeが開発されました。IaCを使えば、手作業ではなくコードによってインフラをプロビジョニングおよび管理できます。これにより、インフラのプロビジョニングをより迅速かつ柔軟に行えるようになります。たとえば、新しいサーバーをプロビジョニングする必要がある状況を考えてみましょう。以前は、サーバーにログインし、ISOイメージをダウンロードし、オペレーティングシステムをインストールし、ネットワーク設定を構成する作業をすべて手動で行う必要がありました。
Infrastructure as Codeを使えば、このプロセスを飛躍的に高速化できます。
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IaCとIaaSの違い
IaCは、IaaS(Infrastructure as a Service)と混同されることがよくあります。IaaSは、従量課金制でサーバー、ストレージ、ネットワーク、データセンターのスペースなどのインフラを提供するクラウドコンピューティングの一種です。IaaSプロバイダーは通常、ユーザーがオンデマンドでクラウドインフラをプロビジョニングおよび管理できるセルフサービス型ポータルを提供しています。IaaSは、インフラの管理をアウトソーシングしたい企業によく利用されています。
一方、IaCはコードを使ってインフラを管理およびプロビジョニングするプロセスを指します。これはパブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミス環境のいずれでも実行できます。IaCによってインフラをより細かく制御でき、インフラのプロビジョニングと管理を容易に自動化できます。
IaCは企業にどのようなメリットをもたらすのか
Infrastructure as Codeの利用には多くのメリットがあります。主なものは次のとおりです。
自動化とコスト削減
Infrastructure as Codeの主なメリットの1つは、反復的な作業を自動化できることです。Infrastructure as Codeを使ってプロセスを自動化し、新しいサーバーをプロビジョニングすることが、最も分かりやすい例です。その結果、企業は運用支出を増やすことなく、インフラ管理を拡大できます。
スケーラビリティと標準化
Infrastructure as Codeのもう1つのメリットは、組織がインフラをより迅速にスケールできることです。IaCを使えば、企業はインフラをコード化したテンプレート(または「設計図」)を定義し、必要なときに新しいリソースを迅速にプロビジョニングできます。これにより、企業はより俊敏になり、需要の変化にも素早く対応できます。さらに、Infrastructure as Codeは企業によるインフラの標準化にも役立ち、効率を高め、コストをさらに削減できます。
セキュリティとドキュメント
Infrastructure as Codeは、インフラの変更を追跡・監査し、すべての変更がセキュリティ標準に準拠していることを確認できるため、セキュリティの向上に役立ちます。IaCを使えば、誰がいつインフラを変更したかを追跡でき、潜在的なセキュリティ問題の特定に役立ちます。さらに、IaCによってインフラのドキュメントを作成できるため、トラブルシューティングやコンプライアンス対応にも有用です。
シャドーITの削減
インフラ管理における課題の1つは、インフラに加えられたすべての変更を追跡するのが難しいことです。その結果、適切な承認を得ずにインフラが無断で変更される、いわゆるシャドーITにつながる可能性があります。Infrastructure as Codeは、インフラに加えられたすべての変更を追跡する手段を提供することで、シャドーITの削減に役立ちます。
災害復旧
IaCを使えば、企業はインフラ構成を定義し、災害発生時にその構成を使って新しいインフラを提供できます。これにより、ダウンタイムを短縮し、災害が企業に与える影響を最小限に抑えられます。
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IaCの課題とは何か
Infrastructure as Codeには多くのメリットがある一方で、企業が理解しておくべき課題もあります。主な課題は次のとおりです。
複雑さ、ロジック、規約、スキル不足
Infrastructure as Codeの課題の1つは、インフラ構成の定義が複雑になり得ることです。この複雑さにより、企業がInfrastructure as Codeを理解し、維持することが難しくなる可能性があります。
さらに、Infrastructure as Codeを定義する際には、従うべき規約や標準が存在することが多く、複雑さや急な学習曲線につながります。また、十分なスキルを持つ人材を見つけるのも難しい場合があります。IaCの経験がない企業は、どこから始めればよいのか、面接をどのように行えばよいのかさえ分からないかもしれません。企業は、IaCのトレーニングに投資し、従業員向けの継続的な研修プログラムを実施することで、この問題に対処できます。
ツールの不足と機能の遅れ
Infrastructure as Codeの課題の1つは、ツールの不足や機能の遅れが生じることが多い点です。つまり、企業が必要とするすべての機能を備えていないInfrastructure as Codeツールがしばしば存在します。
Infrastructure as Codeのツールは、新機能や機能性の面で遅れを取ることがあります。そのため、ベンダーが対応機能を提供するまで待つしかない場合があります。そうでなければ、自分で機能を拡張するか、新たな依存関係を導入する必要があります。この問題を解決するには、継続的に更新・改善されるInfrastructure as Codeツールに投資することが有効です。
構成ドリフト
構成ドリフトもInfrastructure as Codeにおける課題の1つです。これは、Infrastructure as Codeの構成と実際のインフラの間に差異が生じることを指します。たとえば、セキュリティパッチが手動または外部から更新された場合などです。時間の経過とともに、コンプライアンス違反やサービス障害につながる可能性があります。
こうした差異は予期しない動作を引き起こし、デバッグも困難になる可能性があります。この問題を解決するには、構成ドリフトの特定と防止に役立つInfrastructure as Codeツールを使用します。
難しいロールベースアクセス制御(RBAC)
Infrastructure as Codeの課題の1つは、ロールベースアクセス制御(RBAC)の管理が難しいことです。これは、Infrastructure as CodeをGitHubなどの中央リポジトリに保存する必要がある場合が多いためです。適切にRBACを管理しなければ、セキュリティ上の問題につながる可能性があります。
IaCの将来はどうなるのか
Infrastructure as Codeの将来は明るいと言えます。企業がクラウドへ移行するにつれて、Infrastructure as Codeはさらに重要になります。その結果、IaCは今後も発展を続け、普及していくでしょう。
しかし最大の問題は、企業がIaCを完全に運用可能にするために、IT担当者がIaCの言語とツールの概念を十分に理解する必要があることです。この問題によって、多くの組織ではOpsとDevの間に、いまだほぼ解消されていない隔たりが生じています。Opsは環境を可能な限り最適化しようとする一方、Devは問題を持ち込むことを懸念し、IaCスクリプトに触れるのを恐れています。この状況は停滞と非効率を招きます。企業がこれに対処する方法は2つあります。ケースごとにIaCを実行するか、IaC環境の実行をパイプラインに組み込むかです。
IaCにとって次の論理的なステップとなるのは、Internal Developer Platformです。将来的には、Internal Developer Platform(IDP)が開発者とIaCスクリプトの間をつなぐ中間的な役割を果たす可能性があります。Internal Developer Platformによって、開発者は、裏側でIaCスクリプトがプロビジョニングするUIまたはCLIを通じて、インフラを迅速にセルフサービスで利用できるようになります。
開発者が気にすべきなのは、アプリケーションのデプロイと実行に必要なリソース(データベース、DNS、ストレージなど)だけです。一方、IDPは専用ドライバーを介してIaCスクリプトを呼び出し、適切なインフラをエンジニアに提供します。